tomino@hana87

エッセイ

体内のアラーム機構について

重要な建物には外敵の侵入に備えて、あるいは火災など緊急時に備えて非常を知らせるアラーム装置が備わっております。これは日常ではあまりその存在を意識しなくても、いざという時には大いに役に立つものです。 人体にも多くのアラーム機構がついています。...
エッセイ

箸とフォークと伝統楽器

(道具の改善と文化論) 食事の際にどのような道具や作法を用いるのかということを知るのは、その国の文化を語るためのよい指標になる。 我々日本人も含めて中国文化圏では食事の際には箸を用いている。また西洋文化圏ではナイフとフォークを用いることは誰...
エッセイ

腰痛症雑感

最近はいわゆる歳のせいか精神的に落ち着きがない。 どうも初老期の心と体の変化のアンバランスによる鬱症状のようである。 東洋医学の専門医に相談をした結果“灸治療”をすることになった。 「へえ、精神的な治療なのに灸治療をするのか」と幾分不信の念...
エッセイ

外科医の祈り

心臓患者のための新聞 「救心友の会」に掲載  ”念ずれば花開く” と言う言葉があります。 これは愛媛在住の詩人である坂村真民の詩の一節です。 ご存じの人も多いと思いますが、私も緑あって同氏の詩集を愛読させてもらっている一人であります。 この...
エッセイ

お名前を言って下さい

松山市医師会誌に掲載 -「お名前を言ってください」 医療事故の予防策について - 駅のホームに電車が入ってくる時には「危険ですから後ろにお下がりください」というアナウンスがある。 飛行機に乗ってもいつも非常時のライフベストのつけ方などのアナ...
エッセイ

ペースメーカについて

いよぎんIRC誌 1998年掲載 心臓は一回心拍動があれば約70ccの血液を動脈内に送り出します。 そして心拍動は1分間に約70~80回鼓動しているので1分間には5~6リットルの血液を体内に送り込んでいることになります。 脈拍数は体のいろん...
エッセイ

医師の声、患者の耳

―若手医師に対する話し方の指導教材 インフォームドコンセントの現実― 近頃、街の中で耳にする若者の言葉は我々、普通の年寄りたちにはまったくもって理解しがたいものがある。 『うざい』『まぶい』『やべー』『まいうー』 しかし日本語でしゃべってい...
エッセイ

危険予告と危険予知

-飛行機の事故から考える危機管理―  飛行機が飛び立つと間もなくスチュワーデス(客室乗務員というらしい)が救命胴衣のつけ方とか酸素マスクの使い方などの注意説明をしてくれる。 どこの航空会社の飛行機に乗っても皆同じ事をしている。出てくる小道具...
エッセイ

高齢者の心臓手術について

平成5年 心臓病患者の新聞「救心友の会」掲載 現代は高齢化社会になったといわれます。高齢者の人口は増加し、このため、また病気になる人々の数も増えてきました。 県立中央病院でも、70才以上で心臓の手術を受ける患者さんが年々多くなっております。...
エッセイ

初めての中国旅行

久しぶりに外国旅行をした。 若いころはそれなりに気楽に旅行ができたが、還暦も過ぎる年齢になるといざ外国旅行となると、なにか心の中で構えてしまうものがある。 仕事が忙しい、時間がとれない、などの理由を挙げて、そのため実行にはだいぶ腰が重くなる...